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ガラス玉遊戯

ヘルマン・ヘッセ全集 (15)ガラス玉遊戯

ヘルマン・ヘッセ最後の長編。なんとか読み終えました、大変だった…上下二段組みで500ページ超は自分としてはこれまで読んだことのない分量でした。やりきった感がすごい。

いろいろ検索してみると大体絶賛されてる本作ですが、実際読んでみるとさもありなん、いろんな要素が盛り込まれているな、というのが最初の、現段階での僕の感想です。

世界史、近代史は大事だよ、自分はそれらの上に立っているという認識をちゃんと持ちなさい、瞑想習慣を付けて常にフラットな姿勢でいなさい、自分の内側の声に従いなさい、常に変化を恐れてはいけません、精神は生活の上に成り立っていることを忘れないように、芸術などの高等な精神は世俗とどう折り合いをつければいいのか、奉仕の精神こそが健全な精神だよ、移ろいやすい大衆の精神はこうやって掴みなさい、などなど…途方もない数の要素が含まれてます。

この本自体がそうであるように、教育という要素も主題の一つで、本編のクネヒトの最期は一つの教育の形を示しているのだと僕は思いました。

ヨーゼフ・クネヒトという突出した人物の一生をそのまま描くことで多くのことを伝えようとしたこの本では、最後はああいう形で精神を丸ごと読者に渡そうとしたのかもしれない。最後に収録された「3つの履歴書」は、すごく乱暴な言い方をすれば落穂拾いで、本編ではカバーできなかった要素を三様の人生を通じて伝えるものなのかなと思いました。