「ガムラン武者修行 / 皆川厚一」 を読む

ガムラン武者修行―音の宝島バリ暮らし

ガムラン武者修行―音の宝島バリ暮らし

読みました。東京藝大からバリに留学した筆者による、3年間にわたるバリ島生活を綴った内容。バリに住む人たちの生活、性格、人間関係、風習が中心。バリに残るさまざまな編成のガムランについても触れています。ガムランの音楽についての詳しい解説は無く、この本では筆者の視点でそれらを聞いた感動、ガムラン演奏を通じて心の中に得られた知見といったものが独特の筆致で書かれています。ガムランの仕組みといった理論的な話は同じ筆者の「ガムランを楽しもう」に載っているのでしょう。読みたいけど絶版らしくてプレミア付いてるんだよなあ。

ガムランを楽しもう―音の宝島バリの音楽 (音楽指導ハンドブック)

ガムランを楽しもう―音の宝島バリの音楽 (音楽指導ハンドブック)

筆者がガムランの修行を通じて段階的にバリの人たちの生活に入り込んでいき、やがて彼らの独特な対人関係、世界観を共有するようになっていく様子が丁寧に書かれており、読んだ後はそれらを追体験できたような読後感。ただ「バリは素晴らしい!」「地上の楽園!」などと絶賛するのではなく、一歩引いた、冷静な視点で書かれているのがいいのかもしれません。個性的な人物が登場し、読み物として楽しく読めました。脚注にちょっとした豆知識も書かれていてイメージを補間してくれます。

この本からは非常にプリミティブな印象を受けるバリの生活ですが、94年出版のこの本から20年、今はどうなっているんでしょう。去年はジャワに行ったけどバリにも一度行ってみたいです。