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「進撃の巨人」の魅力は何よりもキャラクターだと思う話

話題のアニメ「進撃の巨人」が最終回を迎えました。最初はあまり興味が無かったのですが、見てみるとかなり面白かったです。


漫画が始まったとき、結構話題になってましたね。それで「人類 対 巨人」というコンセプトと1巻のビジュアルがぴったりハマってて(タイトルもカッコいい)、インパクト十分でした。自分はその頃漫画自体がご無沙汰だったことと、絵の迫力や動きの爽快感を楽しむもの(バトル漫画、アクション映画など)にあまり興味を持てないでいて「進撃の巨人」についてもそのまま忘れていました。「あー売れそうだなー」くらいの認識。

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)

「進撃の巨人」は漫画のジャンルで当てはめるならバトル漫画、サスペンスですかね。「人間 対 巨人」(後述しますが「巨人 対 巨人」もある)の戦闘シーンと謎が謎を呼ぶストーリーが人気なんだと思います。 それでファンの方には申し訳ないんですが僕はどちらもあまり興味が無いんですよね・・・。実際読めばハマるかも知れませんが、アクションよりも今の僕の興味としては内面の機微とか描かれてるほうが好きだし、謎解きについてもこれまでミステリとか、そういうのにあまり熱中できた試しがない。

それでもネットを徘徊していると話題の作品の情報は入ってくるわけです。2ちゃんねるのまとめブログとか読んでると話題は目に入るので、「エレンは巨人だったことが判明」とか読むと「あれ、そっちの方向なの?」と勝手に心配したり、がっかりしたりしてました。それで、何がきっかけか忘れましたけど(多分ヒマだった)、女型の巨人が出てくるあたりからニコニコ動画の公式配信で見るようになって、それに合わせてニコニコ動画の「見所まとめ」のような投稿動画も見ていきました。

それでまあ、話はよくわからないんですよ。どうやら人類は壁の中で巨人におびえながら暮らしてるだとか、味方の中に巨人がいるらしいだとか、そういう話なのはわかる。でもどういう憶測がされているだとか、その根拠は~のシーンだとか、そういう話にはついていけない。よく話題になっていた「作画が凄い!」というのもCGが多用されてたりしていまいちピンと来ない。「立体起動装置」とか「調査兵団」とか、そういう世界観の固有名詞もどうもしっくりこなくて盛り上がれないのです。

そんな自分にとって「進撃の巨人」の何が面白かったかというと、単純にキャラクターが魅力的、これに尽きると思いました。

魅力的なキャラクター

「進撃の巨人」では主人公のエレンを中心に幼馴染、兵隊の同期、上司など色々なキャラクターが出てきますが、まずこの主人公エレンが良い。巨人に対しては恨みの感情から猟奇的な面を見せたりしますが、基本的に真面目で熱血漢で、仲間想いの気持ちのいい少年です。兵士として超優秀な幼馴染に対して焦りを感じたり、敵として疑惑を掛けられている同期に対して最後まで信じて感情的に潔白を強要したり、感情豊かな人間味あるキャラクターだと思います。少年漫画の王道的な主人公。

自分が年を取って擦り切れたのかなんなのかわかりませんが、こういう主人公はなんだか、良い。久しぶりにこういうひたむきで眩しいヤツを見た気がする。今の世の中、欺瞞と自意識が蔓延するこの日本では求められてるのは、物語のこういう主人公ではないだろうか(迫真)

周りを固めるキャラクターも良い。圧倒的な武力を誇るが、好きなエレンのこととなるとどこかズレてる幼馴染のミカサは、わかりやすくしかも独特の魅力がある。口は悪く一見冷たいが理解ある上司のリヴァイと暖かいリヴァイの部下たち。この部下たちも少しズレてる。最初は日和っていたが次第に使命と向き合うようになるジャン。まっすぐで優しい性格だが食べ物にがめついサシャ。

こう書いてみるとキャラクターは本当にみんな王道的ですね。それらがグロテスクで謎の多い世界観の上に乗るわけですが、そこが多分この作者のうまいところなんだと思います。

それぞれのキャラクターが「若いゆえに未熟」だったり「好きな相手に対してはどこかズレて」たり「主人公に対して理解はあるが性格がアレ」だったりする、そういうキャラクターの魅力となっている部分はその成り立ちがこの世界観と結びついていて、かつストーリーにもギャグにも活かされています。

ミカサが「圧倒的な武力を誇るが、好きなエレンのこととなるとどこかズレてる」ことは両親を殺された悲惨な過去から来るもので(詳しくは本編で)、リヴァイの部下のハンジさん、彼(彼女?)は巨人の研究をしていますがそのマッドさはギャグとなり、研究の成果は物語の推進力となります。

簡単に言うと無駄が無い、媚びがないということだと思います。それぞれの性格は世界観に根付いており、必然性がある。設定に無理が無く、おそらくストーリーもキャラクターが必然の元に動いていていわゆる「神の手」を感じることが少ないんじゃないでしょうか。ストーリーをちゃんと追ってないのでわかりませんが、真摯な姿勢の作品だと思いました。そういうところが熱を持って広く受け入れられてるのかなあ、というのが僕の感想です。


あとこの漫画のギャグシーンはかなり好きです。真面目な流れでちょいちょい挟んでくるのが笑える。それもキャラクターが壊れたりせず、ストーリーも邪魔しないからいいね。作者の諫山創さんは「他にも漫画を書きたいと思ってる」らしいので、それらもきっと面白くなるんじゃないかなと期待してます。